「倍音」という言葉を耳にする機会があると思いますが、今日は「コードと倍音の関係」について簡単に説明したいと思います。
CやG等のコードの響きが美しく聞こえるのには、実はキチンとした理由があるんですね。
- 倍音とは
- 音は、ひとつの音として聞こえる場合でも、さまざまな音が含まれており、鳴らした音以外にも整数倍の周波数を持つ音の成分を含みます。この音を倍音と言います。
つまりピアノ等で音を鳴らした時、鳴らした音(基音)の上に高い音が同時にいくつも鳴ります。 その高い音は基音の周波数の2倍、3倍、4倍、5倍・・・・の音になっています。この音が倍音です。※高調波(第2高調波、第3高調波など)と呼ぶ場合もあります。
周波数については以前のブログ【EQのための基礎知識 ~身近な音の周波数~】で触れていますので、そちらをご参照ください。
例えば、『ド(C3)=周波数261.5Hz』の音を強くポーンと弾くと、その音の周波数の2倍、3倍、4倍、5倍・・・・の音が同時に重なるということです。
- 2倍音は1オクターブ上のド(C4)=523Hz
- 3倍音はその上のソ(G5)=784.5Hz
- 4倍音はその上のド(C5)=1046Hz
- 5倍音はその上のミ(E6)=1307.5Hz
- 6倍音はその上のソ(G6)=1569Hz
- 7倍音はその上のシ♭(B♭6)=1830.5Hz
- 8倍音はその上のド(C6)=2092Hz
- 9倍音はその上のレ(D6)=2353.5Hz
- 10倍音はその上のミ(E6)=2615Hz
これを見てわかるように、倍音を重ねていくと『ド』の音の中にも『ミ、ソ、シ♭』といった『Cのコード(C7)』を構成している音の周波数も含まれているのです。
同様に『ミ』の場合にも『ソ♯、シ、レ』といった『Eのコード(E7)』を構成している音の周波数も含まれます。
つまり
倍音にはコード構成音が必ず含まれているのです。
3和音のコード(トライアド)や4和音コード(テトラッド)の響きが奇麗に整って聴こえるのは、
コード構成音がルート音の倍音成分に含まれているから
です。豆知識として覚えておいて下さいね。