Avidは2015年1月22日にPro Tools 12とともに、Pro Tools の無償版になる「Pro Tools | First」を発表しました。
機能は制限されているとはいえ、業界標準でプロ定番のDAWソフト Pro Tools を、ダウンロードすればフリーで誰でも無料でPro Toolsが使えるようになります。
なんと良い時代になったのでしょう。これからDTMを始めたいと思っている初心者の方は、まず試してみることをオススメします。
Pro Tools | First
これまでの Pro Tools の無料版といえば、Avidのインターフェースに無償で付属していた「Pro Tools Express」でした。つまりMboxやFast TrackなどAvid製のインターフェイスを購入しないと、無償版 Pro Tools を手に入れることは出来なかったんですね。
しかし「Pro Tools | First」は、ダウンロードすれば誰でも無料で手に入れることができます。
32bit/96kHzまで対応し、16オーディオトラック、プラグインは20種類以上付属するなど、内容的にはこれまでの無償版の Pro Tools Express とほぼ同じようなものですが、違う点も多々あります。
- ダウンロード ⇒ Pro Tools | First ダウンロード
- Pro Tools Expressについては ⇒ 初心者にオススメの【Pro Tools Express】の個人的な使用感
Pro Tools | First と Pro Tools Express とソフト比較
では、Pro Tools | First と、これまでの無償版ソフト Pro Tools Expressとは、内容的にどう違うのか?見ていきましょう。
Pro Tools | First
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Pro Tools Express
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入手方法 |
誰でもフリーでダウンロード
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Mbox、Fast Track Solo、Fast Track Duoに無償でバンドル
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オーディオトラック数 |
16(モノ/ステレオ)
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16(モノ/ステレオ)
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最大インプット数 |
4ch
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8ch
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録音可能トラック数 |
4ch
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4ch
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インストゥルメント/MIDI |
16tr /16tr
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8tr / 16tr
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サンプルレート |
32-bit / 96 kHz
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32-bit / 96 kHz
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ビデオファイル |
未対応
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1trまで
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iLok |
必要なし
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必要
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保存セッション数 |
3セッションまで
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Unlimited
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セッション保存場所 |
Avidサーバークラウド内
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パソコンのハードディスク
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インターフェイス |
サードパーティ製、Avid製にかかわらず使用可能(ASIO、Core Audio、EUCON)
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Mbox、Mbox Mini、Fast Track Solo、Fast Track DuoのAvid製のみ
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プラグイン |
Avidマーケットプレイスより購入した、AAX Native 64プラグイン、AAX AudioSuite 64追加プラグインのみ使用可能
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サードパーティー製、Avid製にかかわらず、AAX Native、AAX AudioSuite、RTAS、AudioSuiteプラグインと互換性あり
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- Pro Tools のバージョンによる機能の違い ⇒ Pro Tools | バージョン比較 | Avid
- Pro Tools の強みについて ⇒ DAWにPro Toolsを使うメリット
無償版ソフト Pro Tools Express との大きな違い
これまでの Pro Tools Express と決定的に違うのは
- Pro Tools | First は
- iLokなしで起動できる
- MboxなどAvidのインターフェイスがなくても起動できる。Avid製以外のインターフェイスも使用可能。
- セッションはAvidサーバーのクラウド内に保存され、3つまでしか保存できない
- 通常版の Pro Tools や Pro Tools | HD のセッションを開くことができない
ということです。
Pro Tools | First の メリット
では、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
iLokを必要としない
通常 Pro Tools を起動・利用するには、ライセンスをiLokに移し、Pro Tools をオーソライズする必要があります。しかし、これがDTM初心者にとって最初の難関になり、上手くPro Tools をインストールできない原因にもなります。
実際に、当校ワンズウィルの生徒さんや体験レッスンに来られる方のほとんどが、ここでつまづきます。
このiLokなしで Pro Tools | First を利用できるのは、初心者にとっては大きなメリットになるでしょう。
またiLokの実売価格も4,500円ぐらいしますので、その費用がかからないのもイイですね。
Avidのインターフェイスがなくても使用できる
Pro Tools | First はスタンドアローン(※1)での操作が可能なので、その点は非常に便利です。
※1 スタンドアローンとは、Mboxなどの機器に依存せず、ソフト単独で操作ができるという意味です。
Pro Tools Express は Mbox などAvid製のインターフェイスがないと起動できません。これはAvid製以外のインターフェイスを使用できないことを意味します。
しかし、Pro Tools | First はインターフェイスをつながなくても動きますし、お好きなインターフェースと組み合わせて使用できます(ASIO、Core Audio、EUCON対応のもの)。つまりAvid製以外も使えるので、選択肢の幅が広がりますね。
Pro Tools | First の デメリット
セッション(曲データ)はAvidサーバーのクラウド内に保存され、3つまでしか保存できない
Pro Tools Express や 通常版の Pro Tools や Pro Tools | HD は、コンピューターのハードディスク上へ無制限にセッション(※2)をローカル保存できます。
※2 セッションとは、簡単に言えば Pro Tools で制作した楽曲データと考えて下さい。Pro Tools | First ではこれをプロジェクトとよんでいます。
しかし Pro Tools | First のプロジェクト(曲データ)はAvidサーバーのクラウド内に保存され、Avidマスターアカウントを経由してアクセスすることになります。つまり、自分のパソコンには曲データを保存できないということです。
また、プロジェクトを3つまでしか保存できないというのは痛いですよね。
※3つより多くのプロジェクトが必要な場合は、Avidマーケットプレイスから購入すればいいようです。
ただ、オーディオデータやMIDIはパソコンに保存できます。ようするに、完成した曲の2ミックや各トラックを1つずつバウンスしていけば、曲のデータはPC上に保存できるということです。
通常版の Pro Tools セッションファイル を開けない
これも痛いですね。仲間が作った Pro Tools の楽曲データや、外部スタジオでレコーディングしたセッションを開けないのは。
Pro Tools Express は Pro Tools や Pro Tools | HD のセッションを開いて作業出来ました。
ただ、クラウド・コラボレーション機能を使えば、通常版の Pro Tools で作成されたプロジェクトとのオンラインでのコラボレーションは可能なようです。
Pro Tools向けAvidクラウド・コラボレーションについてはコチラをご参照ください。
付属プラグインについて
ドラム、ストリングス、ピアノ、シンセなど、2500以上の音色が入ったマルチ音源 Xpand!2(音源ソフトはこれのみ) や、プロ品質のリバーブ D-verb など20種類以上のエフェクトプラグインが標準で付属します。
また、動作するプラグインは、Avidマーケットプレイスから購入したものだけになるので、サードパーティー製のプラグインは使用できません。
欲を言うと、もう少し充実させてほしかった感はありますが、コンプ、EQ、リバーブ、ディレイなど一通りそろっているし、Xpand!2だけでサウンドは全て作れてしまうので、初心者がまずDTMを始めるにあたっては十分といえるでしょう。
Pro Tools に慣れるためのエントリーDAW
機能に制限はあるものの、レコーディング業界標準・プロ御用達の Pro Tools と、同じ操作性で作曲・録音ができてしまう「Pro Tools | First」は、これからDTMを始める初心者にとって魅力的なDAWです。
Pro Tools | First で慣れてから、フルバージョンの Pro Tools への移行するのもありだと思います。
あなたもまずは、Pro Tools | First で DTMを始めてみませんか?ボーカリストの方はボーカル練習をするツールとしても最適です。
DTMを始めるなら、業界標準プロ定番の Pro Tools で
ワンズウィルミュージックスクールでは、Pro Tools を使ってDTMを始めたい初心者の方にとって、まさにピッタリのレッスンを行っています。
初心者には難しい Pro Tools やインターフェイス・機材の選び方、インストール、使い方まで、責任を持って分かりやすくご指導いたします。
あなたもプロ定番 Pro Tools で、必ず作曲や録音ができるようになります。ワンズウィルにお任せ下さい。
まずは【体験レッスン】にお申込み下さい。
【Pro Tools | First】にオススメのインターフェイス
Pro Tools M-Poweredなど、Pro tools ユーザーには馴染み深いM-AUDIOのインターフェイス。M-Trackシリーズは高性能・低価格でオススメです。
- 最新のハイスピードUSB-C端子装備。ダイレクトモニター機能。
- 5万円相当の充実の付属ソフトウエア(Strike 2、Xpand!2、Mini Grand、Crative FX Collection、Cubase LE)
- クラストップのA/Dコンバーター、24bit/192kHzステレオの高音質録音可能