先日のブログ【意外と知らないピアノ・ペダルの意味と役割】では、アコースティックピアノのペダルについて書かせて頂きました。
といっても、自宅にピアノがある人以外はなかなかグランドピアノやアップライトピアノを弾く機会も少なく、ほとんどの人が電子ピアノやキーボードを使用していると思います。
「アコースティックピアノのペダル」と「電子ピアノ・キーボードのペダル」では少し仕様が異なりますので、今回は
- 電子ピアノ・キーボードのペダルの意味と役割
- サスティンペダルを使用した正しい演奏方法
を参考音源も用いて説明したく思います。
電子ピアノのペダル
電子ピアノのペダルはグランドピアノをモデリングして作られているものが、それぞれの機能をシュミレートした3つのペダルがついています。
- 右 ダンパーペダル
- 中央 ソステヌートペダル
- 左 シフトペダル
先日、楽器店でヤマハのクラビノーバなど電子ピアノを数台試し弾きさせて頂きましたが、上位機種ではダンパーペダルを使用した際、弦の共鳴の響きまでかなりリアルに再現されているものもありました。とても素晴らしい音がしてました。
キーボードのペダル
電子ピアノ以外のだいたいのキーボードはサスティンペダル(ダンパーペダル)のみが接続できるような仕様になっています。
また、
電子ピアノやキーボードにはダンパーが備わっていないため、正式にはダンパーペダルとは呼ばず、サスティンペダルと呼ぶ場合が多い
です。
アコースティックピアノと電子ピアノ/キーボードのダンパーペダルの違い
ダンパーペダルを踏んだ状態で音を鳴らすと、弾いていない弦も一緒に共鳴し、さまざまな倍音が混ざって聞こえる
のですが、
多くの機種は弾いた音だけが伸びるので、共鳴音がない聞こえ方
になります。
※ペダルの性能も機種によって異なりますが、電子ピアノの上位機種には弾いていない弦の共鳴音もシュミレートされたものもあります。
ハーフペダル機能
ハーフペダルとは残響音をあまり残したくない時に使用する演奏法です。
アコースティックピアノはダンパーペダルの踏み込み加減で音の響きの調整ができます。最後までペダルを踏み込まないと、ダンパーの先の部分が軽く弦に触れている状態になるので、ダンパーを踏み込んだ時よりも音の伸びが短くなります。
ペダルを踏み込んだ音と、ハーフペダルの音の響きを聞き比べ
ペダルを踏み込む加減によって、音の伸びを長くしたり短くしたり細かく調整する事ができます。
ほとんどの電子ピアノ(ピアノタッチのキーボード含め)がこの機能をシュミレートしています。
しかし、ペダルのついていない(ペダルを接続するタイプ)電子ピアノ・キーボードは
取り付ける側のペダルの種類によっては、ハーフペダルの機能が使えないものもありますので少し注意が必要です。
よく使われているペダルはこちらです。
FC4はハーフペダル未対応なので、ハーフペダル機能のついたキーボードでもその機能は使えません。なるべくはハーフペダル対応のものを使用することをオススメします。
サスティンペダルを使用した正しい演奏と間違った演奏
バラードなどスローな曲を演奏する場合は、ほぼ全体的にサスティンペダル(アコースティックピアノでいうダンパーペダル)を使用するのが基本です。
そもそもピアノ初心者からすると、サスティンペダルで音を伸ばすとどうなるのか?疑問に思っている人も多いと思います。ここでペダルを用いた演奏を3パターン聞き比べてみましょう。
※今回はピアノタッチのキーボード(YAMAHA S90ES)にペダル(YAMAHA FC3)を接続し演奏しています。
サスティンペダルを正しく使用した演奏
コードが変わるタイミングでペダルを正しく踏み替えていますので、音が気持ちよい響きを奏でていますよね。
ペダルを踏み変える位置については、下の楽譜をご覧ください。
「P」の箇所でペダルを踏み、アンダーラインの間、踏み続けます。次の「P」の部分で踏み変えます。
サスティンペダルを全く使用しなかった演奏
サスティンペダルを踏みっぱなしにした演奏
このように、ピアノ演奏にとってペダルは非常に重要な役割だとご理解頂けると思います。
コードが変わるタイミングでペダルを踏み替えるといっても、直前に弾いた音が途切れる前にコードが変わることもあるので、厳密には
“コードの変わり目でペダルを離し、次の音を弾いた少し後” にペダルを踏むように演奏します。
上記でも説明した通り、電子ピアノやキーボードのサスティンペダルは、アコースティックピアノのダンパーペダルとは響きや仕様が少し違ってきますが、基本的にはどちらも同じように使って頂いて問題ありません。
正しいタイミングでペダルを踏み替えられるように、足下にも意識を持って練習していきましょう!