先日、ワンズウィルのレッスンでも使用しているMboxに付属の Pro Tools Express をMacBook Airにインストールして使用してみました。
- Pro Tools Expressとは
- AVIDのインターフェースであるMboxに無償で付属されているスタジオ標準Pro Toolsの簡易版ソフト。
- Pro Tools|HDやPro Tools 11の多くの機能を備え、上位 Pro Toolsとのセッション・ファイルの互換性もあります。
- 高品質プラグインと自動遅延補正機能も装備。最大同時オーディオトラック数は16トラック。
- のちにPro Tools 11へでアップグレードも可能。
つまりインターフェイス Mbox mini(実売価格:¥25,000前後)やMbox (実売価格:¥30,000前後)を購入すると、タダでついてくるDAWソフトです。
プロ御用達のスタジオ標準 Pro Tools の音質と機能がこんな価格で手に入ってしまいます!DTM・作曲初心者の入門用にオススメです。
追記:2017年現在、無償版は Pro Tools|First
2015年1月22日、Avidは「Pro Tools 12」(2017年現在の最新バージョンはPro Tools 12.7)とともに、無償版の【 Pro Tools|First 】を発表しました。
機能は制限されているとはいえ、プロが採用する多くのツールを完全無料で使用することができます。
- ダウンロードはコチラ ⇒ Pro Tools | First ダウンロード
- Pro Tools ラインナップ ⇒ Pro Tools | バージョン比較
Mboxの種類
- Mbox mini
2in2outのオーディオ・インターフェース。24bit48kっていうのはさほど問題はないのですが、MIDIが付いていない事と、PCとの接続がUSB1.1で転送速度が遅いというのがちょっとネックに感じます。
- Mbox
4in4outオーディオ・インターフェース。24bit96kまで対応し、MIDI機器も1in1outの接続可能。またPCとの接続がUSB2.0なのでMbox miniよりも転送速度は約40倍ほど速い計算になります。
※転送速度比較(理論値) USB2.0 ⇒ 480Mbps USB1.1 ⇒ 12Mbps
- Mbox Pro
24bit192kまで対応するMboxファミリーの最上位機種で8in8outのオーディオ・インターフェース。PCとの接続は高速のFireWire800を使用。MIDI機器も1in1outの接続可能。
上記のようにMboxにもそれぞれ種類がありますが、今回はMboxとMboxシリーズに付属しているPro Tools Expressの個人的な使用感を書きたく思います。
操作画面
インターフェースに付属しているソフトという事で最初は少し舐めていたのですが、Pro Tools Expressを立ち上げてみてまずびっくりした事は、Pro Tools|HDと全く同じ画面が立ち上がった事です。
編集画面
ミキサー画面
さっと使用した感じでは操作性も全く同じでした。
内蔵インストュルメント
気になっていた、インストゥルメントを見てみると、以前こちらのブログでもご紹介したことのある【Boom】と【Structure Free】、【Xpand!2】の3つが入っていました。
※Structure Freeとは、Pro Toolsとシームレスに連携が行えるプレイバックサンプラーのStuctureから一部の機能を抽出した機能制限版のプラグインです。
この3つがあれば初心者であれば不自由無く作曲・アレンジ作業が行えると思います。とくにマルチ音源である【Xpand!2】は私もかなり使っています。
内蔵プラグイン
プラグインもEQ、Dynamics、Pitch Shift、Reverb、Delay、Modulation、Harmonic、Ditherのカテゴリーごとにそれぞれ主要なものは揃っているので、こちらも作編曲する上では全く問題なく思いました。
歌のレコーディングの使用感
実際にマイクをセッティングしてみてヘッドフォンをして簡単に歌を録音してみました。
録音環境はバッファサイズをデフォルトの512サンプルのままで行うと、ヘッドフォンからの歌の返りに相当なレイテンシー(遅れ)を感じました。
バッファサイズを下げながらレイテンシーを許される範囲まで抑えて行くと、64サンプルくらいが良いと思います。
ただ64サンプルだと動作に若干不安が残るので、ギターや歌録音の際は立ち上げているプラグイン類をオーディオ化するなどの工夫は必要でしょう。
※あくまでもMacBook Airのプロセッサ1.6 GHz Intel Corei5 メモリ2GB を使用しての使用感です。PCのスペックの大きさにより使用感は変わってくると思います。
無制限のPro Tools|HDや256トラックまで再生可能なPro Tools 11に比べると、16トラックまでとトラック数やプラグインに制限はあるものの、簡単な作曲アレンジをしたり、自宅で歌を録音するには十分なスペックであると思いました。
Pro Tools Express から Pro Tools 11へのアップグレードが¥22,000~23,000円で可能なので(2015年4月現在)、初心者の方でDAWソフトに迷っている人にはとてもオススメデす。Pro Tools 11 を普通に買うと80,000円前後なので、かなり安くすみます。
Pro Tools SE について
また、僕は使用した事はないのですが、M-Audioブランドのオーディオインターフェイスに付属して【Pro Tools SE】という最下位バージョンも存在します。実際に購入し使用したOne’s WILLの生徒さんに聞いたところ、機能が簡易すぎてほぼ使えないとの意見を頂きました。
Pro Tools|HDやPro Tools 11など、上位 Pro Toolsとのセッション・ファイルの互換性はないようです。またアップグレードも出来ないとのことです。
DTMを始めるなら、業界標準プロ定番の Pro Tools で
ワンズウィルミュージックスクールでは、Pro Tools を使ってDTMを始めたい初心者の方にとって、まさにピッタリのレッスンを行っています。
初心者には難しい Pro Tools やインターフェイス・機材の選び方、インストール、使い方まで、責任を持って分かりやすくご指導いたします。
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当ブログの『DTM初心者にPro Toolsの購入から使い方まで分かりやすくご指導 【レッスン解説】』の記事では、DTMの全くの初心者の生徒さんが、Pro Toolsを購入するところからレッスンが始まり、今では難なく楽曲を打ち込んで完成できるようになった模様を書いています。
これを読めば、DAWの知識が全くない方でも、作曲・アレンジ、打ち込みが出来るようになることがお分かり頂けると思います。
追記:2017年現在で Pro Tools・インターフェイスを選ぶなら
予算が5万円以下となると、まずソフトは無償版の【Pro Tools | First】、インターフェイスはAvid製以外の、2万円以下で買えるものがいいでしょう。
※2017年現在、低価格で購入できる Pro Tools 純正のインターフェイス(Avid社製)はありません。
【Mbox】は生産終了、2017年1月には【Pro Tools | Duet】【Pro Tools | Quartet】も販売終了がアナウンスされました。
【Pro Tools | First】にオススメのインターフェイス
Pro Tools M-Poweredなど、Pro tools ユーザーには馴染み深いM-AUDIOのインターフェイス。M-Trackシリーズは高性能・低価格でオススメです。
- 最新のハイスピードUSB-C端子装備。ダイレクトモニター機能。
- 5万円相当の充実の付属ソフトウエア(Strike 2、Xpand!2、Mini Grand、Crative FX Collection、Cubase LE)
- クラストップのA/Dコンバーター、24bit/192kHzステレオの高音質録音可能
当校、ワンズウィルミュージックスクールの生徒さん達の多くは、まず最初にMboxを購入して、このPro Tools ExpressでDAWソフトの使い方の基本を学んで、ある程度いじれるようになったら多機能の Pro Tools 11 へアップグレードし、更なるレベルアップをはかっていく方がほとんどです。
(※2017年現在は、まずは Pro Tools | First を無料ダウンロードし、上記の様な2万円以下のインターフェイス(Avid製以外)を購入。のちに Pro Tools 12 をへ移行していく生徒さんが多いです、)
Pro Tools の解説書を読むと、なんだか小難しい言葉がならんでいて、おぼえるのが大変そうですが、ポイントさえを知ってしまえばパソコンソフトを使う感覚であつかえるようになると思いますよ。
立ち上げてるプラグインをオーディオ化する?とはどういう意味ですか?そんなことができるのですか?
POPOさま
コメントありがとうございます。
立ち上げているプラグインをオーディオ化するということは、カテゴリーメニューのAudioSuiteを使用し、トラックのオーディオデータ自体にプラグインが掛かった状態のオーディオデータに書き換えるという意味です。
そうすることによりプラグインをインサートせずにも(起動せずに)プラグインが掛かった状態の音のオーディオデータが出来上がるので、よけいなパワーを省く事が出来ます。
ただし、オーディオ化してしまうと後々にプラグインの設定の変更は出来ないので注意が必要です。