楽典等の音楽用語で「5度圏」という言葉を耳にすることがあると思います。今日はこの「5度圏」 について簡単に説明したく思います。
スポンサーリンク
すべての調は5度のつながりで出来ている
- 嬰種(♯)調では主音が完全五度上がるごとに♯が1つずつ増え、完全五度下がるごとに♯が1つずつ減ります。
- 逆に変種(♭)調では主音が完全五度上がるごとに♭が一つずつ減り、完全五度下がるごとに♭が一つずつ減ります。
- すべての調の基音(ルート)は
- 完全5度上がると♯が1つ増えるが♭が1つ減る
- 完全5度下がると♭が1つ増えるか♯が1つ減る
つまり
♯と♭は対称の状態になります。これがすべての調におけるルールになります。
5度のつながりが嬰種(♯)調と変種(♭)調とで一続きにつながっていることがわかりますね。
わかりやすく図に表すと上のように並びます。
左端の3つと右端の3つは異名同音調になり1つの輪のように繋がることがわかると思います。
異名同音調とは?
変ト長調(Gb)と嬰ヘ長調(F♯)や変ニ長調(Db)と 嬰ハ長調(C♯)のように、調が同じでも別の呼び名が付いている調のことをさします。
異名同音調には下記のような決まりがあります。
- 変化記号5つ以上の調号の調に必ず異名同音調があります
- 必ず嬰種と変種の組み合わせで、双方の変化記号の数を足すと12になります
この繋がった輪のことを5度圏と呼びます。
以前のブログ【曲の調(キー)を知るための呪文】で、「ファドソレラミシ」「シミラレソドファ」を呪文のように覚えることで、調がわかるようになるという説明をしましたが、
この「5度圏」の性質を理解する事でも同じく曲の調を割り出すことができます。
また、この「5度圏」を理解する事で他にも様々な楽典的な音楽理論の説明を理解できるようになるので、是非覚えていて下さい。
ワンズウィル 下田 義浩