一般的に世に出ている楽曲と、初心者が作った楽曲を聴き比べると(音質ももちろんですが)音圧に大きな差があります。
どうやったら世の楽曲のように音圧をうまく稼げるのだろうか?と悩んでいる初心者も多いのではないでしょうか?
今日は音圧を稼ぐためにもってこいのPro Toolsデフォルトのプラグイン【maxim】をご紹介したく思います。
プラグイン Maxim ~ Peak Limiting & Sound Level Maximizing ~
- maximとは?
- ピーク成分をリミッター効果で抑えながら、音量レベルの低い部分を底上げするマキシマイザーのプラグインです。
基本的には、マスターフェーダーにインサートして曲全体の音圧を稼ぐため(トータルコンプ)に使います。
maximを使用する場合は、下の写真のようにマスターフェーダーのインサートA-F部分をクリックし、Dynamicsカテゴリーの中からmaximを選んで下さい。
※画像ではPro Tools|HDを使用しているため、[マルチチャンネルTDMプラグイン]から選んでいますが、NativeのPro Tools 10 や 11 をご使用の場合は、[マルチチャンネルRTASプラグイン]から選んで下さい。
作りがシンプルなので使い方もとても簡単です。
各設定の説明
- threshold ⇒ リミッターの基準レベルの設定
- ceiling ⇒ 最大出力レベルを設定 ※通常は若干の余裕を持たせて-0.1〜-0.3db程度がよい
- release ⇒ 信号レベルがthreshold値を下回ってから効果が解除されるまでの時間設定
- mix ⇒ 原音に対する加工された信号のミックス量の調節
をそれぞれ設定できます。
Ditherボタン
Ditherボタン
maximの画面右側のDitherボタンをオンにすると、ボタン下のNoise ShapingやBit Resolutionが使用可能になります。
◆ Noise Shaping は
ディザノイズ(無信号の時にサーっと鳴っているノイズ)を高周波数帯域に移動させる機能です。これにより、デジタルノイズを大幅にカットする事が出来ます。
◆ Bit Resolutionは
bit数の変更で生じる量子化ノイズ(デジタルノイズ)を抑えるために使用します。
このBit Resolutionボタンであらかじめbit数を下げる処理をしておく事で、量子化ノイズ(デジタルノイズ)の発生を抑える事が出来ます。
使用感と音質
手軽に使用できるので、僕も取り急ぎの仮Mixを作成する場合はこのプラグインをよく使用しています。
ただ、音色的には
- 少し音が歪みっぽくなってしまう
- 歪っぽくなるせいか、サウンドが派手になる
傾向にあります。特に深く掛けるほどこれらが顕著に現れます。
ですので具体的には、楽曲の最大音量の箇所でattenパラメーターが少し(-2db位)ふれるくらいの設定(掛け具合)がよいと思います。
曲全体に掛けるトータルコンプは音圧も稼げ、押し出しも強いサウンドになるメリットもありますが、この【maxim】に限らず掛け過ぎには要注意です。
初心者などによくみられますが(世の中に出ている作品でも)、トータルコンプを掛け過ぎることで、
- トータルコンプを掛け過ぎたことの弊害
- サビなど全体の音量が大きくなる箇所で、歌や楽器が引っ込んでしまう
- 抑揚のない平坦なサウンドになってしまう
- 音がつぶれてしまう
- とても固い耳が痛いサウンドになってしまう
このようにトータルコンプは簡単なようでとても扱うのが難しいプラグインです。皆さんも自分なりにいろいろ調整して、その変化を実感してみて下さい。
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